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開校記念式岡田校長式辞
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'''開校記念式式辞 初代校長 岡田藤十郎'''<br> 本日落成祝を兼ね開校記念式を行なうに当たり府知事閣下を始め来賓各位の御臨場を辱うし、文部大臣閣下より特に祝辞を賜わることは当校に取り無上の光栄とし深く感謝する次第であります。<br> 当校は大正12年の開校でありまして同年工事に着手し本年3月竣工致したのであります。不幸にして工事中震災の大打撃を受けたに関らず府当局の多大の御尽力と請負者の忠実なる作業の結果として、予定の期限内に著々工事を進め幸いに大なる支障なく校務を進めることの出来ましたことは深く感謝する所であります。<br> 敷地の坪数は4431坪、校舎の延坪数1857坪、建築費総額70万4500円であります。<br> 開校第1年には品川町の好意により同町三木小学校の一部を借り受け仮校舎にあて第2年目に一部工事の出来を待って移転したのであります。創立準備事務所並に第1回第2回の入学試験場はすべて青山師範学校に御迷惑をかけたのであります。この機会において改めて両校の御好意に対し感謝の意を表します。<br> 生徒は毎年6学級約270人募集致すのでありますが応募者は震災の翌年800余名であったほか第1回以来常に1000名以上に達し玉石混淆ではあるが、府立中学としては数において常に第2位を下りませぬ。準備教育難の現状に鑑み普通教育の本旨に省みて抽籤加味の選抜法を試みているが知力体力共に優秀のものは、甲種合格として先入資格を与えますが心身能力の発達普通以上のものは一率に合格を認め公平なる抽籤によりて採否を決するのであります。今日までの経験によればこれは最も適切なる方法と認めている次第であります。<br> 現在生徒の数は第1学年より第4学年まで1006名であります。国民の心身発達の不満足なる現況に鑑み最も意を体育に用い、自治的訓練に重きを置き智育の方面においては努めて内容の充実に注意を払っているが、開校後日なお浅くその成績につきては何等取立てて御報告する程の事もありませぬ。唯現にこのところに集まっている生々とした頼もしき1000の少年、これが過去3年間の8中教育の全成果であることを御認めを願います。非才不徳なる私には責任の余りに重きに過ぐることを恐るるのでありますが、幸いに当局の御鞭撻と府民の同情とに信頼し職員生徒と共に協力一致して、誠心誠意校務の充実発展に力を尽し期待に背かぬように努むる覚悟であります。これをもって式辞と致します。(大正15年)<br> (「創立50周年記念誌」P44)
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